文フリ岩手までひと月&「幻影復興」収録作品紹介
とうとう文学フリマ岩手まであとひと月と迫って参りました。
ひと月後の明日には盛岡産ビルの7階で売り子をしなくてはなりません。
僕が文フリに出るのは2011年以来なので、久しぶりの文フリです。
今現在は、入稿日に向けて最後の追い込みをしている最中です(白目)
さて、清涼院流水特集については前回書きましたので、
今回はそれ以外の小説作品に関する紹介となります。
何度も言いますが、清涼院流水デビュー20周年記念特集がなかったとしても、
胸を張ってお勧めできる作品群が掲載されます。
それでは、以下、収録予定順に紹介します。
- 坂嶋竜「波が通り過ぎたあとに -Don't pass me by-」
津波で壊滅した町を見下ろす女性の元に、ひとりの男性が姿を現す。
彼はかつて津波に流された家族を捜すため尽力してくれた人だった。
その死に隠された謎が解き明かされるとき、そこに残されたものとは?
ちなみに文フリ事務局主催のアンソロに書いた「サファイアの祈り」の姉妹編です。
時代も舞台も違うのに何故姉妹編なのか、頭の片隅において頂けたら幸いです。
この作品は文フリ岩手立ち読みカタログの方にも掲載してますので、どうぞ。
波が通り過ぎたあとに(『幻影復興』収録) - エブリスタ - 無料コミック・小説投稿サイト
- 田中大牙「世界の終わりのねこやなぎ 猫柳十一弦の終末 第1回」
岩手が産んだ本格ミステリの雄・北山猛邦トリビュート作品です。
トリビュートと言っても事前知識は一切必要なく、
むしろこれを読んでから本家に手を伸ばすのもありだと思います。
*この作品のみ、連載作品となっています。
- 櫻木偲「彼岸の檻」
- 椎名惠「赤をひく岳」
この2作品は「写真から紡がれる物語」という企画参加作品です。
K@zumiさんの作成した1枚の写真から、
2人の書き手がどのようなイメージを受け取り、どのような物語を作り上げたのか。
「彼岸の檻」:とある洋館でバイトを始めたけれど、妖しげな館主には秘密が……?
「赤をひく岳」:美しく厳しい自然の描写と母子の2人暮らしが丁寧に描かれた物語。
ふたりのアプローチの違いを、どうぞお楽しみ下さい。
- 紫藤はるか「探偵の死と、或いは僕のための殺人」
20年ぶりの後輩との再会が、かつての事件の記憶を甦らせる。
高校で起きた転落事件と探偵の捜査、そして死……。
めくるめく論理の応酬が、切なさと共に真実を炙りだしていく。
- 菱野隆弘「動かない家の殺人」
探偵助手の御手洗潔が〝動かない家〟で出会ったのはふたつの殺人事件だった。
名探偵・歌野晶午は自ら〝動かない家〟に赴き、捜査を開始する。
オーソドックスだったはずの物語は、予想もしない方向へと揺れ動いていく。
- 七宮倫「子守歌の日」
ある日、結花を抱いても愛しいと思えない自分に気がついた。
妻は随分とかわいがっているのに、自分の中に違和感が生まれていく。
次第次第に妻との間に距離が生まれ、そして……。
- 紫暮「神か趣味か君」
――その歌を聴いたら自殺する。
社会現象となったのち、表舞台から姿を消したシンガーソングライターを探すよう、
ある女性から依頼を受けた僕は、彼女の勢いに従うまま、調査に乗り出す。
幻の10曲目に隠された秘密が明らかになるとき、君と僕のための物語が始まる。
- 都鞠龍華「幻燈仮面の聖夜 最終回」
名探偵によって、ついに追いつめられた幻燈仮面。
その仮面がはがされるとき、隠されていた真実が明らかになる!
夜の夢を騙る怪盗物語、ここに完結!!(というていの読み切り短編です)
小説は以上、9作品が掲載されます。
「小説現代増刊号メフィストに捧げる小説であること」というだけの依頼から、
ここまで幅広い物語が集まるのは、本家の懐の広さのおかげなんだろうな、と思います。
本格ミステリを始め、大説、ユーモアミステリ、青春ミステリ、ノワール、SF、パニック小説のなどの作品が、
メフィスト賞を受賞していることからも明かですね。
現在、懸命に編集・校正作業をしているところですので、どうぞ完成をお楽しみに!
騙り部は、第1回文学フリマ岩手イ-04でお待ちしております。
隣のブースがA賞を受賞された方で、ビクビクしている坂嶋がお送りいたしました。