作品をエブリスタの文フリ岩手特集号に登録しました。
『幻影復興 -メフィスト・リブート-』掲載予定の坂嶋竜「波が通り過ぎたあとに」を
エブリスタが行っている文フリ岩手立ち読みカタログに掲載しました。
estar.jp
あの日の記憶が蘇るとき、彼女は真実と出会う。リアスから届いた夢物騙。
2011年4月、高台の公園から街を見ていた少女はひとりの男性と会う。
その会話が、かつての記憶を呼び覚ましていく。
それはひとつの物語。
津波から逃げるように高台へと逃げたこと。
仕事に行っていた夫が帰宅しなかったこと。
夫を捜すため、あちこちを歩き回ったこと。
すべての記憶が甦るとき、彼女が見つけた真実とは。
……といった感じの小説です。
これはあくまで『幻影復興』参加作品のひとつであり、全体的な傾向とは異なりますが、
現時点で完成している唯一の作品であったため、1章&2章の前半のみ公開することにしました。
ほかの参加者による作品、特別企画の公開も検討していますので、どうぞお楽しみに。
文フリ岩手開催記念アンソロに原稿を提出しました
第1回文学フリマ岩手の開催を記念して、
事務局による公式アンソロジーが企画されています。
その企画に提出した坂嶋竜作品のタイトルは「サファイアの祈り」。
ある国を訪れた女子中学生が病気の少女と出会う物語です。
企画の趣旨に従う限り、殺人を描くのは難しいと感じたので
日常の謎的な作品になりました。
岩手に関わるどんな文学的背景をテーマにしたのかは、
ネタばらしになるのでここには書きません。
ただし、ミステリとしての構造に関して言えば、
岩手が産んだミステリ作家・北山猛邦「妖精の学校」へのオマージュです。
約10年前、北山さんにインタビューさせて頂いたときはそれほど気になる作品ではなく、
ほかの短編を好きなものとして挙げたのですが、
その後読み返すたびに美味しさが滲み出てきて、今ではお気に入りの短編です。
なお、この作品は『幻影復興』に収録予定の「波が通り過ぎたあとに」の姉妹編です。
時代も舞台も違うのに、何がどう姉妹編なのか、両方読んで確認していただければ、幸いです。