2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧
もともと有栖川有栖はロジックに定評のある作家ではあるが、有栖川作品における〝ロジック〟とは「これが伏線だったのか」という驚きと、「その伏線から犯人に辿り着くのが可能だったのか」という二重の驚きが重ね合ったものである。 その視点からこの短編集…
超能力を扱ったミステリドラマとしてスタートした本作は、視聴者の予想をはるかに越え、人類を滅ぼす側とその可能性を信じ守ろうとする側との戦いに焦点が移っていく。 当麻とセカイ、出現させる力と消失させる力。 それぞれが持つSPECの対照性は、その…
ドラマ版全12話を通して明かされたSPECという特殊能力を基本設定とした上で、どこまで面白い能力を登場させ、どのように主人公たちと戦わせるのか、を試みたのがドラマスペシャルの翔、劇場版の天、ということになるだろう。それは能力対決の様相を呈し…
堤監督がかつて手がけたTRICKは自称超能力者が仕掛けたトリックを売れないマジシャンと物理学者のコンビが解き明かすミステリドラマであった。 本作自体の企画も、最初はそのアンチテーゼだったと思われる。 TRICKに出てきたような偽物ではなく、…
迷宮とは分岐がなく秩序だった一本道のことである。 迷路のように入口と出口があるのではなく、余すところなく敷きつめられた通路を進み、中央にある目的地を目指すのが本来の迷宮の姿である。 黒岩涙香が創り出した四十八首の暗号解読に取り憑かれた本作も…